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ブルーバスターによるブログ。なるべく毎日更新する予定です。主に私信がメイン。


by bluebastard
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何をする「ん」だァーッ!

ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッドのPS2用ソフトが発売されていますが、評判がよろしくないみたいですね。バンダイのゲーム開発力はあまり高くないのでしょうか。

それはさておき、小説の途中経過を公開します。「執筆中」とよく書いているのですが、本当に書いているのかと思われそうなんで、ここで醸し出しておきます。ネタバレ防止につき、以下は炙り文。


ファザード一行がユーラシア東部の基地にたどり着いたその翌日、基地の演習場では2体のFAが模擬戦闘を行っていた。どちらも重装型の機体であり、見た目通り火力は高い。1機はロック・ルソーのオロチ、そしてもう1機はソポナ・ジャンゴが駆るフラットライガーだった。後者は両手に銃火器を装備しており、脚部には高威力の誘導弾を発射するランチャーポッドを装備している。さらに固定装備として両腕にレーザーブードや肩部のロケット砲、胴部には前方のバレットガンと後方のミサイルポッドが内蔵されている。バレットガンは計10発の実弾を同時拡散発射し、主に迎撃用に使用される。
2体のFAによる戦闘は模擬戦と思い難いほど激しく繰り広げられた。ライガーが両腕の装備で銃撃を繰り出すが、オロチはシールドで防ぎつつ、フロントレールガンとブリッツバズーカで応戦していた。模擬弾を使用しているため機体に致命傷を与える事は出来ないものの、ジャンゴ機の装甲値は既にその半分以上を消費していた。この装甲値は機体のコンピューターによるもので、ある衝撃でどれだけの装甲値が減少されるかを測定するシステムだった。装甲値の消費量は演習を行う際にメカニックマンが設定するが、実戦ではコンピューターが熱源を瞬時にダメージ量を測定するように設定されている。
「なるほど、確かにお前は実戦のベテランかもしれないな。だがな、俺も負ける訳にはいかないんでね」
「ほぉ、何をやらかすのやら」
ジャンゴはライガーに肩部のロケット砲を発射させ、ルソー機に命中させようとした。勿論これも模擬弾ではあるが。
「甘いな」
オロチはステルスブースターを発動し、瞬時に上方へ回避した。そして右肩の狙撃砲を構えると実弾を高速発射し、ライガーにダメージを与えた。
「まずいな、このままでは負けになっちまう、、、」
ライガーはすぐさま体勢を立て直し、銃を連射した。
「銃を乱発したところで、お前の負けを覆すことは出来ないんだぜ?これで俺の勝ちだ」
オロチはバズーカを発射し、僅かに残っていたライガーの装甲値を全て削り取った。勝者はルソー。
「5勝5敗7引き分け。結局追いつかれちまったか。しかし、何故こう言った戦闘では力を発揮するのだろうかねぇ?」
「臨場感と言うか、何と言うか。現実味が薄いとどうも調子が出ないんだよ。子供の頃ゲームを苦手としていた理由はこれかも知れんな」
演習場を後にした二人は格納庫へ向かっていった。格納庫ではゴッド・テイルの守護神とも言うべきFAが並んでいる。もちろん、新規配備予定の機体も含めてだ。ルソーはそこにいる整備士を見かけると、彼に声をかけた。
「よぉ、整備の方はもう終わったのか?俺たちの機体の方も頼みたいのだが」
「えぇ。先ほど模擬戦闘をされていたのですね?」
「大した事はないと思うが、一応チェックしてくれ」
整備士は快く答える。
そんな時、ジャンゴはファザードと何やら話をしていた。
「艦長、次の目的地は既に判明しているのでしょうか?」
「いや、まだだ。だが、今度の任務は敵拠点基地の攻撃となるようだ」
彼らゴッド・テイルのクルーは、この基地で用を済ませたら次の任務に当たらなければならなかった。
「さて、あの二人はまだ正式メンバーとなっていなかったな。そろそろ発表をせねば」
一方、イルビスとミユキの二人は基地のエントランスエリアで話をしていた。
「イルビス、まさかこれからも戦うとか言わないでしょうね?」
「そのまさかなんだけど、戦うしかないだろう」
「……そうかも知れないけど」
二人の会話の途中、ファザードが割り込んできた。
「イルビス、ミユキ。少し話があるんだが」
「何でしょうか?」
「うむ。実は、君とミユキ君は我が艦の正規クルーとして認められることとなった。すなわち、君達は正式な軍人となるのだ」
「前にも僕たちに入隊書を渡した事がありましたけど、あの時から正式な軍人となっていたわけではないんですか?」
「その時は上層部が君達を正式に認めていなかったからな。そこで、今日認められる事となったのだよ」
民間人が成り行きで軍に所属する事となり、戦績を上げた後に正規軍人として認められる事例は過去にも数多くある。それはEARTH、ヴォルテックス問わずであった。
「あと、君達には階級も与えられている。イルビスが伍長で、ミユキ君は二等兵だ。特にイルビスはこれまでに大きな戦果を挙げたため、この様な階級となった。」
「……有難うございます」
イルビスにとって階級など、どうでも良かった。戦火を挙げたと言う事は、敵の命を奪った事になる。恐らく故郷へ帰しては貰えないだろう。そのような事に対して嫌悪感を抱いていた。だがもちろんの事、彼とて人の命を軽視していたわけではない。
その時、上層部からファザードに連絡が入った。
「ファザード少佐です。……了解しました。次の作戦を開始するそうだ。艦に戻ってくれ」
「了解」
一同は返事をし、自分達が搭乗する艦に戻っていった。

グレン・スミスは一人、コーヒーを飲んでいた。ウィリウス准将から授かった“エイジ中隊”を抱えつつ。ヴォルテックス軍のFA部隊は数多く存在しているが、自機を除いてエイジ中隊は新鋭のFAが4体、大型の上級主力型SAを所有している。ヴォルテックス軍でもこの様な部隊はごく僅かしか存在しないようだ。
グレンは以前の戦闘で同行した隊員に不満を抱いたが、今回の戦闘ではせいぜい足手まといになるような連中でなくて欲しいと願うのだった。
「グレン大尉。今回の作戦では全力を尽くしますので、宜しくお願いします」
隊員の一人が尋ねる。じゃぁ、今までは全力を尽くしていなかったのか?命を落とすかもしれないと言うのに……これだから、実力が身についていないのだよ。と思いつつも、グレンは「あぁ、期待している。」と答えた。
格納庫にはグレンのストーム、4体のトゥールピオン、多脚SAのヴォル・ヴォックが並んでいる。これらは敵を叩き潰すための兵器となりうるものだろう。パイロットの腕にもよるが。
トゥールピオンは、2体ずつ装備が異なっているものが見られた。ある2体には右腕のマシンガンと左腕のトンファーガン・システム(以下T.G.S.)、もう2体にはリニア弾を発射する特殊ガトリング砲「リニア・ガトリング・ランチャー(以下L.G.L.)」が搭載されていた。前者は前衛、後者は後衛用のものだろう。
ヴォル・ヴォックはSAであるだけに、もはや人型とは言えない姿となっている。人間やFAで言うと、両腕にあたる部分はプラズマランチャーとミサイルポッドが装備されている。その他は背中央部のグレネード、背側面部のミサイルランチャー、固定装備である下部の機銃となっているのだ。
このSAは陸戦を主軸にする事を前提とした機体であり、地上ではトップクラスの性能を誇るものとなっている。トゥールピオンも地上戦のほうに長けていたのだった。それに対してグレンのストームは空中戦に秀でており、今回の作戦でグレンが率いるこのエイジ中隊は、地上と空中からの挟撃を可能としたものであった。グレンの眼中に入らなかったウィリウス准将とて、この様な事も考えていたのだろう。
「ところで、そのコーヒーはブルーマウンテンでしょうか?」
トゥールピオンのパイロットの一人が尋ねる。
「あぁ」
ブルーマウンテンは地球のカリブ海に存在する島国「ジャマイカ」で生まれたコーヒーであるが、火星でも数多く生産されている。僅かながらも火星と友好的な関係を保っているエリアが地球に存在し、そこか輸入されているのだ。クセのないバランスの良い味が定評となっており、地球、火星問わずの人気商品である。火星でも独自のコーヒーが生産されているが、グレンはクセのある味が苦手であるため、このコーヒーを飲んでいる。因みに作者はカフェオレでないとコーヒーは飲めない舌であるため、実際どんな味かは体験していないと言う……
「“ルビーストーン”は飲まれないのですか?」
「あの種類は苦手なんでな。酸味が強すぎる」
「そこがこのコーヒーの魅力ですがねぇ……一度は飲んでみて下さいよ」
グレンはこの隊員の事も好きになれなかった。何故なら彼は自分の好みなどに関して、他人に干渉されるのが嫌いであったからだ。この隊員も今にもそれに該当しかねない人物であり、下手をすれば戦闘中に見捨てられる目にも会うだろう。周りから見れば「そんな些細な事で仲間を見捨てるのはどうかしている」と思うかもしれないが、我が道を歩む主義である彼にとっては然るべき行為であったりするのだ。
グレンはいつか戦場で見殺しにしてやろうと思い、隊員を呪った。もはや回復の見込みはない。
「作戦開始まであと1時間ですね。そろそろブリーフィングがあると思いますが」
「了解した」
グレンと彼の部下達は格納庫から去り、ブリーフィングルームに向かった。

一方、艦に戻ったファザード一行は作戦の準備をしていた。
「先ほどの基地で話は聞いたと思うが、今回はユーラシア大陸北東部にある、ヴォルテックス軍の第3拠点基地を攻撃する作戦だ。上層部の調査により、先日交戦したSAに搭載されていたAIはその基地で生産されている事が判明したのだ。基地自体は要塞と言うよりも、研究施設のようなものとなっている。すなわち、この基地は主要のAI研究施設であろう。恐らく、他の技術研究も行われているだろう」
「その技術とはFA開発に関連している事項も含まれるのですか?」
唐突にニュクスが質問を投げ出した。
「それについてなんだが、どうやらAIを搭載するための機体開発に関わっているとの情報が入っている」
近年ヴォルテックス軍ではAI技術に着目しているが、それに適応した新型FAの開発にも取り掛かっていた。エドモントやアルファードでもある程度は利点が聞いているが、現在の技術では接近戦に特化したAIしか開発できず、それを最大限に生かせるFAを開発する必要があったのだ。
ブリーフィングを終え、イルビスたちFAパイロットは戦闘体勢に入るまで待機していた。
「ところで、次の戦闘ではAI機体でも出るんでしょうか?仮にそうだとすれば有難いのですが」
「何故そのような事を?」
タウティの発言に意外そうな表情を見せるジャンゴ。
「何故って……現在のヴォルテックス軍のAI技術は接近戦に特化したものしか開発できないのでしょう?ならばその分、AI機体は遠距離戦で不利になり我々は有利になるかと」
「そうだとしても、狙撃する前に近づかれるかもしれん」
「……と言うより、前に遠距離戦でも戦えるAIの機体と戦ったことがあるんですけど」
「そう言えばそんな事もあったなぁ」
イルビスとルソーは先日の戦いを思い出した。彼らはAI搭載型のSA、リュミエールと交戦した事がある。敵の殆どは遠距離からのミサイルやビームによる攻撃が中心であり、自ら近距離で戦うと言う事はあまり見られなかった。艦に特攻する点は例外であったが。
「しかし何故、ヴォルテックス軍のAI技術は接近戦特化型しか開発できないと言われているのやら……」
「まぁ、あのリュミエールに搭載されていたAIも試作型であったかもしれん。開発できないと言うわけではなく、まだ完成に辿り着いていないだけと言う事もありえるな」
4人が話し合っている中、ゴッド・テイルは目標地点に近づくのであった。オペレーターの一人がファザードに事態を知らせる。
「艦長、前方に敵軍基地と思われる施設を確認。調査を開始します……目標の拠点基地です」
「目標地点に到達した。総員、戦闘体勢に移行せよ」
再び戦闘配置に着くゴッド・テイルのクルー。FAパイロット達もいつものように各々の機体に乗り込むのであった。オペレーター達もインカムを構えて準備する。これまで以上の規模の戦闘となるため、ブリッジにいるクルーの間では静寂が漂っていた。
7体のFAがカタパルトから射出されると、ツクヨミ他2体の上級主力型FAは艦首付近に、2体のデザートカイザーは船体に取り付いた。ワスプ2体は空中に留まっている。元々は空中戦等を前提としているワスプは背部のエネルギーパックのおかげで長時間滞空する事ができる。だがそれによる機動力の圧迫のせいで武装と装甲の軽量化が行われ、狙撃戦以外では貧弱なものとなっている。
視界には無毛の砂漠が広がっていた。施設は少々見られたものの、数えられる程度である。そして前方の先に見えるのが目標の基地。今回の作戦ではこれを破壊せねばならない。
「あれがヴォルテックス軍の第3拠点基地、もといAI研究施設か……」
「AI機が攻撃してくるかも知れん。気をつけろ」
AI研究施設。その名前を聞いただけで誰もがAI搭載型のFAが自分達を襲い掛かってくるだろうと思っていた。そんな時、6つの熱源をパイロット達は確認した。その内の一つは「VFA-X13」と表記されており、それ以外は「UNKNOWN」となっている。だが、ストームに搭乗しているのはグレン・スミスしかいないはず。予想はバッサリと裏切られた。
「熱源を確認した。機数6、1体はVFA-X13であり他の5体はUNKNOWNだ」
「新型機か!」
UNKNOWNの5体はトゥールピオン4機、多脚大型SAヴォル・ヴォック1機となっている。
「これより我がゴッド・テイルは基地に対して攻撃を加える。クローバ1とクローバ2、ハート1は艦の援護を、それ以外は敵の陽動及び撃破を頼む」
「了解」
一同が答えるとカローラ機とライノ機、クラウス機はゴッド・テイルに寄り添い、他の機体はその場に残った。
「久し振りだな、ツクヨミのパイロット。今日こそ貴様を潰してやるぞッ!」
イルビスはため息をつくが、戦闘は戦闘。嫌でも相手にするしかないのだ。それに対し、ルソー達は他の機体を相手にする。その途中、ルソーの脳裏にこの様な思いが浮かんだ。
「ストームの乗り手はイルビスに対してセリフを吐いていたが、俺達の事は眼中にないのかッ!?」
答えはYES。グレン・スミスにとってイルビス以外の軍人など興味が無かったのだった。
そんなこんなでオロチは1機のトゥールピオンを攻撃する。トゥールピオンは右手に握っているマシンガンを連射。オロチは被弾するものの、この程度で怯むほど貧弱なFAではない。左背部のアサルトミサイルで敵を撹乱し、ステルスブースターで間合いを詰める。レーザーブレードで斬り付けようとするが、距離を取られて取り逃がす。
「くそったれ」
ルソーは相手を罵るが、口だけを動かしても仕方が無い。
トゥールピオンは射撃モードに切り替えたT.G.S.で攻撃し、グレネード弾を放つ。鈍足のルソー機は何とかして回避するものの、間髪を入れずに発射された敵のマシンガン攻撃を受ける。しかし、こちらとて怯むわけには行かない。オロチはバズーカ、フロントレールガンによる一斉射撃を行い、敵に直撃させた。
「やったか」とルソーは歓喜するが、敵は大ダメージを受けてはいなかったようだ。さすがにバズーカによる被弾箇所は損傷が目立つものの、レールガンによるダメージはさほど大きくなかった。大抵の敵なら致命傷を与えられると言うのに。
「生憎だが、こちらの機体は機動性、防御力に優れた機体なんでな」
敵兵が煽り立てる。しかし本人は、それが自らの危険を晒す事だと気づかなかったのだ。オロチは再び接近し、レーザーブレード攻撃を仕掛けた……と、思いきや機体が目の前で消えたではないか。慌ててレーダーを確認すると、敵は後方に回り込んでいた。振り向こうとするものの既にレーザーブレードで切り裂かれる。
「敵機1体撃破」
ルソーが仲間に報告する。彼が戦っている間にも戦いは激化していたのだった。既にゴッド・テイルにはもう1体のトゥールピオンが取り付いており、ゴッド・テイルの護衛を担当しているアイン達は敵の撃退に苦戦していた。トゥールピオン達は接近戦を展開しており、アイン達はそれを苦手としている。だが、重装甲を誇るトゥールピオンとて高威力の実弾を食らい続ければさすがに無傷ではいられない。なにしろダメージ源はデザートカイザーの対高機動FA砲、ワスプの対艦狙撃ライフルなのだ。特に対高機動FA砲は威力、命中精度が非常に高いため今戦っているトゥールピオンのような機体を敵に回したときにうってつけである。
1機のトゥールピオンが格闘モード状態のT.G.S.で殴りつけようとするが、その隙にニュクスが搭乗するワスプの狙撃ライフルにより致命傷を負う。被弾箇所からは白い煙が立ちこもっていた。
倒れているトゥールピオンに向けて再び狙撃ライフル弾を放とうとするニュクス。だがその突如、彼は大きな衝撃に襲われる。
「何だ?」
レーダーを確認すれば、右方へ遠く離れた位置からL.G.L.を構えているトゥールピオンを確認する。それと同時に自機の右腕を失っている事に気づいた。
「あちらの敵は任せてください。ニュクス軍曹は船体付近の敵機を!」
「了解」
ニュクスに代わり、ピンガはゴッド・テイルから遠距離のトゥールピオンを狙撃する事にした。左腕に固定装備された対高機動FA砲のグリップを右手で握り、敵に向ける。そんな中、ニュクスは残った左腕で取り出したレーザーブレードで敵に止めを刺そうとした。しかしその攻撃もむなしく止められてしまう。致命傷を受けているはずのトゥールピオンがT.G.S.で殴りつけ、左手からレーザーブレードを吹き飛ばしたのだ。
「こちらも死ぬわけにはいかないんでな」
しかしそのセリフを吐いた後、彼は死んだ。
「ニュクス、大丈夫か?」
「アインか。助かった」
「その状態ではロクに戦えないだろう。ひとまず艦に帰還したらどうだ?」
「そうする事にしよう」
アインの奨めによりニュクス機はゴッド・テイルに一時帰還し、整備員達は機体の修理に取り掛かった。ニュクスはもう1体のトゥールピオンに銃口を向け、狙撃を開始する。ピンガ機は援護しておくべきだと思っていたが、1体の敵に集中しているとその隙に他の敵による被害が及ぶ恐れがあるのだ。また、仮に彼女が危険な状態に陥った場合はタウティ曹長がフォローするはずだろう。
「仲間による船体への攻撃は失敗したか。だが、敵のFAも弱っているはずだ」
トゥールピオンのパイロットが自信ありげに呟く。
ピンガは対高機動FA砲を敵機に向けて放つが、L.G.L.によって迎撃されてしまう。かわせないなら迎撃する、戦闘を経験している者なら理解しているであろう事である。いくら命中精度の高い実弾砲でも迎撃されてしまえば元も子もない。トゥールピオンは上昇し、L.G.L.を放つ。ピンガは回避行動をとるものの、デザートカイザーの機動力の低さが災いし、直撃を受けた。デザートカイザーは攻撃力に秀でた反面、機動力の低下は著しくなっているのだ。
着地したトゥールピオンは辺り一面に土煙を漂わせる。
「その調子だと攻撃を当てるのは容易だな……うおッ!?」
突如飛来した高速の実弾がトゥールピオンの右肩に直撃しよろめく。敵の方を見てみると、ピンガ機の傍らでもう1体のデザートカイザーが対高機動FA砲を構えているのを確認できた。
「大丈夫か、ピンガ軍曹」
「先ほどは直撃は受けましたが、機体の方に別状はありません」
ピンガの無事を確認したタウティは、彼女の援護に当たる。その頃ゴッド・テイルでも敵機の迎撃の最中であった。ミサイルなどの銃弾は機銃で撃ち落し、他には電磁レーザ砲を用いて敵を退けている。ただし、何とか持ちこたえていると言った状況ではあるが。

by bluebastard | 2006-11-07 22:47